横須賀市の不妊治療等への助成制度について

育児

皆さん、おはようございます。横須賀市の行政書士、曽我です。

昨日は横須賀市長選挙の日でした。雨が降るからと、横須賀市長選挙に朝早く行きましたが、あまり投票所へ来られる方は少なく見えました。投票率も33%くらいと、ちょっと低調ですね。

さて、少しブログから距離をおいてしまいましたが、今回は横須賀市の不妊治療の助成についてお話しします。

(参考)
私の事務所ホームページが完成しました。と言っても、まだまだ業務内容等記載することは多いのですが、まずは自分を知ってもらうことが重要と考え、そちらを優先したホームページとなっています。
ご覧いただければ幸いです。もちろんHPからお仕事の依頼も大歓迎です!よろしくお願い致します。

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助成制度について

2つの助成制度がある

まず大きく分けて、不妊治療等の助成制度には二種類あります。

  1. 特定不妊治療費助成事業
  2. 不育症治療費助成事業

これは簡単に言えば、

  1. 妊娠しない状態を改善するための治療への助成
  2. 不育症(妊娠しても流産・死産をくりかえしてしまう状態)を改善するための治療や検査への助成

です。妊娠するための治療と、妊娠から正常な出産をするための治療です。横須賀市では、このどちらにも助成制度がございます。では、次にそれぞれの概要を見ていきましょう。

特定不妊治療費助成事業

対象者

次の要件のすべてを満たす夫婦が対象です。

  1. 特定不妊治療(体外受精・顕微授精)以外の治療法によっては妊娠の見込みがないか、または極めて少ないと医師に診断されていること
  2. 指定医療機関で特定不妊治療を実施していること(他自治体の指定を受けていれば横須賀市の指定医療機関とみなします)
  3. 特定不妊治療開始時に法律上の婚姻をしている、または、事実婚関係にある夫婦であること
    ※治療開始日に婚姻していないまたは事実婚関係にない場合は、助成対象とはなりません。
  4. 治療開始時の妻の年齢が43歳未満であること
    ※新型コロナウイルス感染拡大に伴う令和2年度及び令和3年度における取扱い特例があり、「44歳未満」となっています。以下はその特例を反映させ、44歳と表記しています。
  5. ご夫婦のいずれかが申請時に横須賀市内に住所を有すること

対象となる治療

体外受精及び顕微授精による不妊治療(次の1~6のいずれか)です。

  1. 新鮮胚移植を実施
  2. 採卵から凍結胚移植に至る一連の治療を実施(採卵・受精後、胚を凍結し、母体の状態を整えるために1~3周期の間隔をあけた後に胚移植を行うとの治療方針に基づく一連の治療を行った場合)
  3. 以前に凍結した胚による胚移植を実施
  4. 体調不良等により移植のめどが立たず治療終了
  5. 受精できず、または、胚の分割停止、変性、多精子授精などの異常授精等による中止
  6. 採卵したが卵が得られない、または状態のよい卵が得られないため中止
    (注)採卵に至らないケース(女性への侵襲的治療のないもの)は対象助成となりません。

ただし、採卵準備前に男性不妊治療を行ったが、精子が得られない、または良い状態の精子が得られないため治療を中止した場合は助成の対象になります。

助成額

特定不妊治療費について

上記治療内容「1」「2」「4」「5」については、上限30万円

上記治療内容「3」「6」については、上限10万円

  • 助成金申請を行った後は、それより前に終了した治療に対して、助成を受けることは出来ません。
男性不妊治療費について

精子を精巣又は精巣上体から採取するための手術を行った場合、1回の治療につき上限額30万円まで
(以前に凍結した胚による胚移植を実施する治療(治療内容3)を除く)

助成回数

【初めて助成を受けた治療】の治療開始時の妻の年齢が、

  • 39歳以下の方は、44歳になるまでに1子ごとに6回まで
  • 40歳以上の方は、44歳になるまでに1子ごとに3回まで

※助成回数は、本市および他自治体より今まで受けた助成回数すべての合算です。
※助成回数が残っていても、44歳以降に開始した治療については対象となりません。

助成回数のリセットについては、出産または妊娠12週以降に死産に至った場合に助成回数がリセットされます。
※リセット後の初回治療開始日が39歳以下の場合は6回まで、40歳以上44歳未満の場合は3回までとなります。
※リセットすることにより助成回数が増えない場合は、リセットは行いません。

指定医療機関

横須賀市内には、残念ながら指定医療機関はありません。市外・県外の医療機関については、所在地の自治体の指定を受けていれば横須賀市の助成を受ける事が出来ます。

申請方法・期限

申請に必要な書類は次のとおり。1~5はすべての方が必要な書類、6~8は状況によって必要です。

  1. 特定不妊治療費助成申請書
  2. 特定不妊治療受診等証明書
  3. 医療機関が発行する領収書及び明細書(原本)
  4. 申請者名義の銀行口座がわかるもの
  5. 印鑑
  6. 【夫婦が別世帯の場合】住所及び婚姻関係を確認できる書類
  7. 【事実婚夫婦の場合】事実婚関係を確認できる書類
  8. 【助成回数のリセットを行う場合】子の出生等を確認できる書類

これらを以下の申請期限内こども健康課(はぐくみかん5階1番窓口)へ申請しなければなりません。

  • 助成対象となる1回の特定不妊治療が終了した日の翌日から数えて60日以内(消印有効)に申請してください。
    申請期限を過ぎると助成金を交付できません

(注)「1回の治療」が終了した日・・・妊娠の確認の日(妊娠の有無は問いません。)または医師の判断によりやむを得ず治療を中止した日
(注)治療終了日は横須賀市ではなく、医師が判断します。申請前に治療終了日を確認する場合には横須賀市ではなく、必ず医師にご確認ください。
(注)年度末に治療終了予定の方で、治療終了日の属する年度中に申請が難しい場合は、申請書類に理由書を添えて提出してください。

不育症治療費助成事業

検査と治療によって85%もの不育症患者が出産にたどりつくそうです。
ですので、不育症により子どもをもつことが困難な夫婦の経済的負担を少しでも軽くなるように、保険適用外の治療費の一部を助成するとしています。

助成内容

治療と検査の費用の助成があります。

(1)不育症治療の医療保険が適応されない治療の一部を助成
1回の治療及び検査費について、30万円を上限に助成します。1年度あたりの上限は30万円。1年度あたりの申請回数の上限はありません。

(2)不育症かどうか判定するための検査費用
1年度あたりの上限は5万円。

対象者

次の要件のすべてを満たす夫婦が助成の対象です。

  • 不育症検査及び治療開始時に戸籍上の夫婦であること、または、事実婚関係にある夫婦であること
  • 夫婦またはいずれか一方が、本市の住民基本台帳に登録があること
  • 市税および国民健康保険料、市営住宅家賃、保育料、介護保険料等の市諸料金の滞納がないこと
  • 国民健康保険や社会保険等の、医療保険に加入していること

対象となる治療内容

不育症の保険適用外の治療および、不育症かどうかを判定するための検査費用の一部を助成します。ただし下記のものは除きます。

  • 医療保険各法の規定に基づく保険給付の対象となる不育症治療・検査に係る費用
  • 入院時差額ベッド代、食事代、文書料等
  • 他の地方公共団体で助成されていた期間に係る不育症治療・検査の費用
  • 妊婦健康診査の助成をうけた不育症治療・検査の費用

医療機関の指定

下記の要件を満たした協力医療機関に限ります。(不育症治療費助成協力医療機関リスト参照)

  1. 厚生労働省不育症研究班に属する医師が所属する医療機関
  2. 前項と同等の能力を有する医療機関であって、以下の条件をすべて満たす医療機関
    ・妊娠から出産までの継続した治療を行っていること
    ・妊娠期から出産後の母子のリスク管理ができること
  3. 上記1、2の医療機関で診断を受け、その後その病院から紹介され不育症治療を行った医療機関

申請方法・期限

申請に必要な書類は次のとおり。1~6はすべての方が必要な書類、7及び8は状況によって必要です。

  1. 不育症治療費等助成申請書
  2. 不育症治療に関する証明書(不育症治療等受診等証明書、不育症治療実施証明書)
  3. 医療機関発行の領収書・明細書の原本
  4. 夫婦それぞれの加入健康保険証
  5. 申請者名義の銀行口座がわかるもの
  6. 印鑑
  7. 【夫婦が別世帯の場合】住所及び婚姻関係を確認できる書類
  8. 【事実婚夫婦の場合】事実婚関係を確認できる書類

これらを以下の申請期限内こども健康課(はぐくみかん5階1番窓口)へ申請しなければなりません。

  • 不育症治療および不育症かどうかを判定するための検査が終了した日の翌日から数えて60日以内(消印有効)に申請してください。
    申請期限を過ぎると助成金を交付できませんのでご注意ください

(注)年度末に治療および検査が終了予定の方で、年度内に申請が難しい場合は、申請書類に理由書を添えて提出してください。

最後に

横須賀市は人口減少に苦しんでいます。市長選もそこが争点になっていましたが、生まれてくる子を増やすということは基本中の基本です。

不妊症の治療は、国も制度拡充や健康保険適用ができるように取り組んでいて、よく知られていると思いますが、不育症はあまり知られていません。ここに横須賀市は助成をしているので、対象の方は是非ご活用をお願いしたいと思いますし、もし周りの方で対象の方がいらっしゃれば教えていただけると幸いです。

ただ、横須賀市に指定医療機関がないのがちょっと残念な点です。不妊治療には時間を要しますので、市内在住の方が遠くまで行って治療するのは大変です。是非、横須賀市の力で、市内の病院で治療ができるようにしてもらいたいものです。

あとは、申請期間が終了後60日と短い点です。既にこの助成制度をご存じの方は問題ないと思いますが、後で知って利用したい場合は実は既に申請期間が終了していた、なんてことになりそうです。もう少し申請期間を長くとるか、もっと宣伝していただきたいです。

と言ったことで、今回はここまで。お読みいただきありがとうございました。では、またー。

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