成年後見制度についてご存じでしょうか?

生活

こんにちは、横須賀市の行政書士、曽我です。
今回は、少し硬いお話しになりますが、成年後見制度についてお話ししたいと思います。なぜ今この話をするのか、からお話ししたいと思いますので、今回もお付き合いいただけるとありがたいです。

日本の高齢化について

概要

ご存じの通り、日本は世界一の長寿国となっています。平均寿命は男性81歳、女性87歳です。そこにさまざまな要因はありますが、出生数の減少(少子化)ですから、日本の総人口における高齢者の割合は年々高まっています。現状の高齢化率は28.4%と、超高齢社会です。4人に1人の割合なので、周りにも多くの高齢者の方がいらっしゃると思います。

認知症

その高齢者と切っても切れない問題が、「認知症」です。
認知症とは、脳の神経細胞が何らかの原因で障害されて起こる脳の病気で、記憶力・理解力・判断力などが低下し、社会生活や日常生活に支障が出てくることを言います。正確に言えば、認知症は症状であって、診断名(病名)ではありません。認知症にもさまざまあり、アルツハイマー型認知症・脳血管性認知症・レビー小体型認知症・ピック病などがあります。

よく認知症はもの忘れの病気だと思いがちですが、それは正確ではありません。老化による「もの忘れ」と認知症の「記憶障害」には明確な違いがあります。
もの忘れは例えば、昨日の晩御飯に食べたものを思い出せない、というように体験の一部を忘れているものです。そして、もの忘れが増えても判断力は鈍りませんし、そもそも忘れていること自体を自覚しています。
ところが記憶障害は、昨日晩御飯を食べたこと自体を忘れています。体験のすべてを忘れているのです。また、考えるスピードが遅くなったり、いつもと違うことが起きると混乱してしまったりと、判断力が低下します。そして、忘れたことを自覚していないので、周りの方との意見の食い違いとなってしまうのです。

こうした認知症は、約10年前では高齢者の7人に1人と言われていたのが、2025年には5人に1人の割合になると言われ、急速に増えていっています。もちろん認知症の認知度が上がったことで、早期の受診をするようになったというのも増加の要因となっていて、それ自体は早期受診で進行を遅らせることができたりするので良いことでしょう。ですが、少子高齢化の日本では高齢者1人を3人で支える構図ですから、高齢者の5人に1人が認知症になることで、支えるのもさらに厳しい状況になってきます。

世界アルツハイマー月間

ところで、こちらのブログを挙げている日は9月1日です。9月と言うのは認知症にとって大きな意味があります。それは、9月21日が「世界アルツハイマーデー」だからです。この日を中心に認知症の啓もうを実施しています。そして9月を「世界アルツハイマー月間」と定め、様々な取り組みを行っているのです。

ちなみになぜ9月21日かと言うと、1994年9月21日、スコットランドのエジンバラで第10回国際アルツハイマー病協会国際会議が開催されました。会議の初日であるこの日を「世界アルツハイマーデー」と宣言し、アルツハイマー病等に関する認識を高め、世界の患者と家族に援助と希望をもたらす事を目的としています。ですので、横須賀市ではもちろん、さまざまな地域・団体で啓もう活動等が行われると思います。

ここまで読むとなぜこの9月1日に成年後見の話をしたか、がわかるかもしれません。すなわち、9月が認知症の啓もう活動月間であり、認知症とともに歩いていく為に是非活用を検討していただきたい制度の一つが、この成年後見だからです。

成年後見制度とは

では、その成年後見とは何かについてお話ししていきたいと思います。

概要

成年後見制度というのは、2000年4月から始まっています。同時にこの年、介護保険制度も始まっており、2つの制度は車の車輪のように両輪で動く予定でした。すなわち、介護を「措置」からサービスを選択する「契約」に変え、その契約を滞りなく可能にするため、後見人がサポートする、というシステムです。ところが介護保険制度は急激に利用者が増えましたが、成年後見制度については近年ようやく認知されるようになり件数が増えてきましたが、それでも介護保険制度利用者数からすると、非常に少ないものです。

そもそも成年後見制度とは何か、と言うと、認知症はもちろんのこと、知的障害や精神障害などの理由で判断能力が不十分な方々を保護し、支援する制度です。
漠然とした説明なので補足すると、現代社会は介護保険上のサービス契約などさまざまな契約で成り立っている社会です。生活するうえでさまざまな利益を受けるには契約する能力、すなわち判断能力が備わっていなければ満足な利益を受けることは難しいでしょう。利益以外でも、例えば不動産の管理、預貯金の預け入れ・払い出しが難しくなれば、不利益やともすると命の危険さえ生じるかもしれません。あるいは、自分一人では判断ができず不利益な契約を結んでしまったなど、悪徳商法の被害にあうおそれもあります。成年後見制度はこのように判断能力が不十分な方々の利益確保のため、そのサポートをする制度です。

法定後見

成年後見制度は大別すると、法定後見と任意後見に分かれます。

法定後見制度は、判断能力の程度など本人の事情に応じて「後見」「保佐」「補助」の3つに分かれています。「後見」は精神上の障害(認知症・知的障害・精神障害など)により、判断能力が欠けているのが通常の状態にある人に、「保佐」は判断能力が著しく不十分な人に、「補助」は判断能力の不十分な人にそれぞれ適用されます。

3類型それぞれに、家庭裁判所は成年後見人、保佐人、補助人を選任します。成年後見人等は、本人の利益を考えながら本人の代理をして契約などの法律行為をしたり、本人の法律行為について同意を与えたり、同意を得ないでした本人の行為を取り消したりすることで、本人を保護・サポートします。

任意後見

一方、任意後見制度も法定後見制度と同様、後見人が本人を保護・サポートするのは変わりません。(程度の違いで、3類型にわかれるわけではないので、そこは異なる点ですが。)大きく違うのは、後見人を判断能力低下前からあらかじめ選ぶことができるというところです。法定後見制度では、判断能力低下後、その程度に合わせ成年後見人等が家庭裁判所で選ばれるため、本人の望んだ方が必ずしも後見人等で選ばれるわけではありません。その点、任意後見では、自分の信頼する方に、亡くなるまでサポートをしてもらえますので、本人からすると安心感はこちらのほうがあるのかと思います。

そういうメリットだけでなく、デメリット(という言い方がふさわしいわけではありませんが)としては、任意後見人が本人の信頼の名のもとに身勝手な管理をしないかを監督する監督人という方が選任されるので、監督人への報酬が発生してしまう(法定後見も成年後見人等への報酬はあります)ことや、任意後見契約は公正証書での作成が義務なので、その手数料がかかるという点があります。

法定後見の報酬助成について

任意後見制度はご自分の判断能力低下に備えて、あらかじめ契約をしておく、まさに「保険」のような制度です。保険「契約」ですから、ご自分でどれくらいのことをしてほしいかといった、内容によって報酬をいかようにでも決めることができます。例えば、親族の方が後見人になる場合は無報酬ということもあります。

ところが、法定後見の場合は、判断能力低下後ですから、任意で後見人を選べませんし、報酬額を決めるということも基本的にできません。(裁判所が一定の基準で決定します。)となると、決められた報酬が支払えない以上、この法定後見制度を利用することはできないとなってしまい、概要で述べた成年後見制度の意義が失われてしまいます。

そこで、各地方自治体ごとに差はありますが、一定の条件下で法定後見への報酬助成というものがあります。この助成があれば、判断能力が低下した方もサポートを受けられるようになります。横須賀市では、以下HPの条件の通り助成をしています。

市長申し立てということなので、基本的にはご親族等の身寄りのない方が対象になるため、このブログを見ている方にはあまり縁のないお話しかもしれませんが、知っておくことが大事ですので記載しました。

今回は少し長めのブログになってしまいましたが、お読みいただきありがとうございました。では、またー。

(参考)
私の事務所ホームページが完成しました。と言っても、まだまだ業務内容等記載することは多いのですが、まずは自分を知ってもらうことが重要と考え、そちらを優先したホームページとなっています。
ご覧いただければ幸いです。もちろんHPからお仕事の依頼も大歓迎です!よろしくお願い致します。

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